映画『トラスト・ノー・ワン:消えた巨額仮想通貨を追え!』を徹底解説!
『トラスト・ノー・ワン:消えた巨額仮想通貨を追え!』という映画をご存知ですか?
ロシアに実在したクアドリガCXという仮想通貨の取引所について描かれたドキュメンタリー映画です。
仮想通貨に興味がある、推理モノが好き、ドキュメンタリーが好き、という方には楽しんでいただけるのではないかと思います。
この記事は途中からネタバレを含むので、最初の方を読んで観てみたいと思った方は、ネタバレ注意の表記以降は映画を見た後にご自身の感想も踏まえながら読んでいただけたらと思います。
実話を元にしたドキュメンタリー映画
この映画は、ロシアにあったクアドリガCXという仮想通貨の取引所で実際に起きた事件に関するドキュメンタリー映画です。
事件に関連していた登場人物(役者)が、当時を振り返ってインタビューに答える形でストーリーが展開されていきます。
様々な立場の登場人物が、不可解な事件の真相を暴く為に考察を繰り広げていく様子がリアルに表現されています。
Netflixで見ることができ、長さも1時間半なので手軽に見ることができます。
あらすじ
2019年にクアドリガCXの創業者ジェラルド・コッテンがインドを渡航中、クローン病という病気の合併症を理由に突然死してしまいます。
ジェラルドが取引所のパスワードを知っている唯一の人物だったことから、全顧客が当時預けていた総額1億9000万円もの資金が引き出せなくなってしまうという自体に発展します。
しかし、ジェラルドの死には不可解な点が多く、実際はどこかでまだ生きていて、取引所のお金を使って暮らしているのではないかなどという疑惑が生まれます。
クアドリガCXに資金を預けていた被害者を中心に、ジェラルドや妻のジェニファー、取引所の関係者などのことを調べ始めます。
ネット上でも様々な憶測が飛び交う中、事件の真相を暴いていくというあらすじです。
【ネタバレ注意】不可解な死に広がる様々な疑惑
ここからは映画の内容に関して簡単にまとめていきます。
映画を見たいという人は、これ以降はネタバレになってしまうので読まない方が映画を楽しむことができると思います。
ジェラルドの死後、消えた資金に対して様々な憶測が飛び交います。
被害者らの憶測とその理由についてまとめました。
ジェラルドの死が偽装である
まず最初に疑われたのが、ジェラルドの死が偽装である可能性です。
疑惑の要因となったのは以下のような理由からでした。
- ジェラルドの死亡説明書にスペルミスがあった
- クローン病による若者の死亡率はわずか3%
- ジェラルドの遺体を見たのは妻のジェニファーのみ
- 死亡の声明文が出されたのが死亡してから1ヶ月後だった
- ジェラルドは過去に自殺を偽装したことがあった
ジェラルドは死んだと見せかけて、どこかで取引所の金を使って悠々自適な生活をしているということも状況からして考えられなくはありません。
しかし、これらの不可解な点もジェラルドが生きているという決定的な証拠になるものではありませんでした。
クアドリガの共同創設者によって仮想通貨が盗まれた
事件を調べる被害者や報道関係者らは、ジェラルドと一緒にクアドリガの創設に関わったマイケル・パトリンという人物の存在に辿り着きます。
このマイケル・パトリンですが、過去に投資詐欺サイトを使用していて詐欺の犯罪歴があることから疑いがかかりました。
しかし、2016年にクアドリガを離れてからというもの、ジェラルドとの関わりがなかったことが明らかになります。
妻のジェニファーによる殺人
疑惑は妻のジェニファーにも及びます。
妻であるジェニファーがジェラルドを毒殺し、パスワードも知っているという説が上がったのです。
ジェニファーは過去に何度か離婚を経験していたこともあり、名前を何度も変えていることから違和感を感じた人達が多かったためです。
ネット上ではジェニファーを殺せというような内容の脅迫にまで話が発展しますが、結果としてジェニファーは取引所のお金を持っていませんでした。
事件の真相
憶測として上がった疑惑は真実ではなく、ジェラルドが全て1人で行った犯行だということが結果的に明らかになります。
ジェラルドは取引所を運営しながら、クアドリガで預けられた仮想通貨を自分のもののように引き出し、賭け事に使っていました。
利用者が引き出しを行った際は、他の利用者が預けたお金から渡すポンジスキームを行っていました。
結果としてジェラルドが生きている時から詐欺は行われていましたが、死亡後に取引所のシステムが閉鎖されたことで様々な憶測を呼び、事件の真相が明らかになりました。
ジェラルド本人が死亡してしまっているため、法的措置を取ることもできず、失われた資金はほどんと闇に葬られてしまいます。
映画から学ぶべきことは?
最後にこの実話を元にした映画から学ぶべきことをまとめました。
仮想通貨を購入している人や、購入を考えている人にとっては不安の残る内容の映画ではありますが、教訓として活かすことが大切です。
資産は分散すべき
この映画に出てきた被害者の中には、全財産をクアドリガCXに預けていたという人もいました。
もちろん消えてしまった資金を回収することはできません。
仮想通貨自体まだ世の中に出てきてから日が浅く、新しいものなので法整備が追いついていない現状があります。
普通に考えたら取引所を管理するパスワードを1人しか知らないなんてあり得ないことなのですが、このような事も未然に防ぐことができませんでした。
また、故意でなくても取引所のシステムダウンやハッキングによって資産が引き出せなくなる可能性もゼロではありません。
仮想通貨に限ったことではありませんが、資産は分散しておく事で万が一に備えたリスクヘッジになります。
情報にすぐ飛びつかない
この映画の冒頭では、ビットコインの価格が急上昇した際の世間の盛り上がりについても描かれています。
確かにこの時代、仮想通貨で大儲けした人はいました。
ですが、このような一時的な情報に惑わされないことが重要です。
今でこそ仮想通貨は価格変動が激しいということが一般的に知られていますが、当時はそこまでのリスクを予想せずに多くの資産を溶かしてしまった人もいたのではないかと思います。
また、この映画では被害にあった人達がネット上で感情に任せた発言をして、関係者を殺せといった過激なものにまで発展してしまいます。
そして、根拠のない発言が憶測に火をつけ、翻弄されていく人々の様子が鮮明に描かれています。
良かれ悪かれ情報がいくらでも手に入る時代です。
何に関しても言えることですが、目先の情報に飛びつくのではなく、一歩引いた所から情報をキャッチアップできる冷静さを常に持っている必要があります。
【まとめ】資産を守るには情報の取捨選択が重要
今回は仮想通貨に関するドキュメンタリー映画を紹介しました。
仮想通貨に対してマイナスな印象を持ってしまったという方もいるかと思います。
ですが、それ自体が情報に翻弄されている姿だとも考えられませんか?
仮想通貨に対する正しい知識を得ることさえできれば、きちんと資産を守ることができます。
このサイトでは今後も仮想通貨や投資について正しい知識を知ってもらえるような記事を発信していきますので、情報収集に役立ててもらえたらと思います。
また、この映画では仮想通貨だけでなく、情報社会の闇といった部分にもスポットが当たっているように感じます。
都合の良い情報だけを鵜呑みにするのではなく、しっかり取捨選択できる視野の広さを身に着けましょう。